一般社団法人日本POPサミット協会
会長 安達 昌人
皆さんこんにちは! 私達はふだんから「仕事」という言葉をよく口にします。そこで今回は「仕事」について触れてみたいと思います。
まず、「仕事」という文字の意味は? 国語事典を見ると「し」はサ変動詞「す」の連用形で、「仕」は当て字とのこと。「する事、しなくてはならない事」という意味のようです。
ひところ「仕事人間」という言葉が使われ、働き蜂の日本人がその典型とされたことがあります。「仕事に追われるな、仕事を追え」とは、ベンジャミン・フランクリン(アメリカの政治家)の有名な文言ですが、現実には、幸せな達成感で仕事に追われる人がいれば、過剰労働が問題になる不幸な追われ方の人もいます。また逆に、仕事を追いたくても仕事が無かったりと、状況はさまざまです。
●私ごとですが、一年前より惣菜販売会社のPOP広告の仕事を引き受けています。スーパー・百貨店に出店している直営店・フランチャイズ店など10数店に、POPを作成して発送する業務で「父の日」「牛(丑)の日」「お彼岸」「ハロウィン」などの販促プランをもとに難なくこなして来ました。
当初は負担には感じなかったのですが、「クリスマス」にはまさに過剰労働! A4判、A5判のPOPが1店平均約20枚に増加。店によって品名・価格も変わります。その上、使っているのはインクジェットプリンター、高品質の用紙を使うので印刷に時間を要します。A5判は2枚並べてラミネターに差し込んで後でカット、慌てるため失敗してやり直し。出来たPOPをチェックして各店向けの封筒に詰め、ヤマト運輸の集配に間に合わせます。
インクやラミネートフィルムが直ぐに消耗して、ヤマダ電機に車を飛ばし、使ったラミネートフィルムは約250枚。宅配便に間に合わずに、近県の店舗には直接届けに行きました。終わって暮には疲労困憊のていたらく。ロスが出て、費用オーバーの作業となりましたが、ようやく段取りを心得て、懲りずにその後「年末・正月」「恵方巻」と進め、今は「お花見フェア」に取り組み中。作業に慣れれば、年末が来ても何とかなるだろと楽観的です。
こうした現場のPOPの仕事をしている人も多いでしょう。その苦労を実体験しました。
●何年か前に、函館市に出張しました。その日は天候が大荒れとなり、函館空港直行便が止む無く午後5時ごろに千歳空港に一時着陸。いつ飛ぶかの情報が時間を経ても判然とせず、満席の乗客は大困惑。誰もがケータイで慌ただしく交信です。諦めて飛行機を降りる人も続出。私の隣席には、テレビでおなじみの経営学者で大学教授のK氏が居て、私は翌日の仕事で前泊でしたが、K氏はその夜の講演だったため焦燥に駆られて電話で主催者と応酬。ついにその夜の講演と懇親会にも時間切れとなり、観念したようでした。その時「つまらない仕事を引き受けたばっかりに・・・」と愚痴が洩れたのには、K氏の品格が疑われました。
結局、安全が確認され、9時ごろに飛行機は飛び立って9時半には函館に無事到着。私は「待てば空路の日和かな、ですね」と言って「うまいね」と落胆したK氏に褒められました。
ビートルズのジョン・レノンは「仕事は元気のもとだ(Work is life)、仕事がなければ怖れと不安があるだけだ」と言っていますが、確かに仕事は生活の基盤であるとともに生きがいであり、また趣味でもあると言えるでしょう。
私たちは、どんな小さな仕事でも有難く真摯に取り組み、励んで行きたいと考えています。
以上