令和2年(2020年)1月2日
一般社団法人日本POPサミット協会会長
安達昌人
明けましておめでとうございます。
会員の皆様には、良いお年をお迎えのこことお喜び申し上げます。
一般社団法人日本POPサミット協会は、昨年8月1日をもって第9期を迎えました。これも、会員皆様のご協力とご尽力のお陰と感謝いたします。
昨年も、ホームページ等のPR効果により、各界の研修・制作事業などの実績を高めることができました。特に「サミットin千住(東京)」の全国大会において、生活者と密着する商店街という販売の最前線で、企画と実務の両面できわめて高い成果を見たことは、大きな喜びとするところです。本年も、続いて活発な事業計画を望んでおりますので、会員皆様のいっそうのご協力を仰ぐ次第です。
さて、「守りと攻め」という言葉があり、英語では「Defense and Attack」などと表現されています。
昨年2月に出版された「両利きの経営」(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン著、東洋経済新報社刊)は、特に革新的な書ではないが、まさに「守りと攻め」の堅実な経営書として読まれ、その方針が各企業に取り入れられているようです。
同書では、守りには「深化」、攻めには「探索」という表現が使われます。「深化」とは漸進的な改善、顧客への綿密な配慮、確実な実行で、「探索」はスピード性、柔軟性、失敗への対応力を重視し、この両者を持てる組織能力を「両利きの経営」と呼ぶようです。企業はこれまでに積み上げてきた事業成果を維持しながら、新たな分野の開拓には「両利きの経営」を持ち備えることが重要である、と説いていると受け取られます。
私たちの協会にあっても、これまでの実績を誇りにし深化させ、常に新しい領域にスピーディーに柔軟に探索して行くことが肝要であることは当然でしょう。ただし私自身は、「守り」以上に「攻め」の方が優先されるべきだと考えています。
例えば「凧(たこ)」は正月玩具の一つですが、昔習った英文に次のようなことわざがあります。「Kite rise highest against the wind, not with it(凧は風の力を借りた時ではなく、風に向かった時に最も高く飛び上がる)」。これは、常に前向きに行動して活躍せよ、という励ましの文言だろうと思います。すなわち「Attack」の大切さを述べています。
ところで本年は、十二支の最初の「子(ね)」の年です。「子」の字は、幼児が手を動かしている形から出来た象形文字です。その語源は「生み、増やす、育てる」であると説かれます。この三つの意に合致した動物は何だろうと考えた末に、ネズミが連想され、「子」をネズミにしたという説があります。
私達の協会は、流通業ばかりでなくあらゆる分野の現場で活躍する団体ですが、常に新開拓のクリエイティブ活動が肝心です。そして、クリエイティブの精神は何かと言えば、先の「生み、増やす、育てる」だと端的に考えます。
今後は、協会のさらにいっそうの躍進を目指し、新しい年を迎えて着実に歩んで行きたいと期待しますので、どうぞ会員皆様のご賛同とご協力をよろしくお願い申し上げる次第です。